こんにちは♫ KANAです☻
障害福祉や難病について発信していると、たびたび指摘される、なぜ表記を「障がい者」ではなく「障害者」とするのか?というお話。
結論から言えば、私は「どちらでも良い」と思うのですが(配慮が欲しいのはそんなところではないので・・)、今日は私があえて「障害者」と表記する理由や、その考え方について、障害学での考えかたとともにお話していきます☻
車いすユーザーのAさんにとっての「障害」とは・・・?
「障害」について考えやすくするために、Aさんという架空の人物を例にして考えていきましょう☻
Aさんは事故で脊髄を損傷し、下半身麻痺になりました。自力で歩くことができず、車いすに乗って生活しています。
ある日、Aさんは行きたかった人気の飲食店に行こうと出かけていきます。
しかし、お店の入り口前には数段の階段が・・・。
そのため、Aさんはこのお店に入店することができませんでした。
この場合、Aさんにとって「障害」とは何でしょうか?
みなさんもぜひ一緒に考えてみましょう!
障害学から学ぶ!「障害」の考え方は2通り
「障害」について考える上で、大きなヒントになるのが、障害学という学問です。
2000年代に欧米から日本に伝わってきた学問で、近年、国内でもその考え方が浸透しつつあります。
障害学の中で唱えられていっる「障害」の考え方には、2種類のモデルがあるとされてます。
①医療モデル(個人モデル)/ Impairment
これまでの日本で「障害とは何か?」について考えるとき、もっとも一般的だったのが「医療モデル(個人モデルと言われることもあります)」という考え方です。
医療モデルとは、その人(つまりここではAさん)の身体の一部の機能が失われている事を「障害」だとする考え方。
つまり、Aさんにとっての「障害」は、「歩けないこと」。
「障害」は、Aさんの内側にある、という考え方です。
戦後の日本はこの考え方が一般的で、「障害者は可能な限り努力して、健常者に少しでも近づけるように努めるべきだ」という考えが深く根付いていたと言います。
治すことの困難なケガを負った人や、不治の病でハンデを負った人たちにはとってはかなり生きにくい社会だっただろうと想像できます・・・
②社会モデル / Disability
医療モデルに対して、2000年代に入ってから日本に少しずつ浸透し始めた考え方が「社会モデル」というもの。
社会モデルとは、「身体機能に特徴のある一定の人を想定せずに作られた社会の仕組みや在り方」自体が「障害」である、という考え方です。
車椅子を使っているAさんが、他の人と同じように食事をするお店を選択できない仕組み、つまりは社会のほうに「障害」がある、という考え方ですね。
2000年代になってから、障害学が徐々に日本にも普及し、この「社会モデル」の考え方が少しずつ浸透してきつつあります。
「病気やケガで身体の機能を失ったとしても、どんな状態の人も不自由なく社会参加できる仕組みを作るべきだ」という、新しい考え方です☻
私たちのよう身体的ハンデがある人を想定されていない仕組みや構造は、まだまだ社会に溢れているもんね
「障害」は社会が無くせるもの
近年、徐々に社会モデル的考え方が日本にも浸透しつつあり、「身体機能に違いがあっても、みんなが生きやすい社会を作りましょう」という動きになってきていますね☻
先ほどのAさんの話で考えてもよくわかるのではないかと思います。
Aさんは元通り歩けるようになるのは難しいかもしれないけれども、車いすでも快適に過ごせる施設や仕組みが社会にできていたならば、それはAさんにとって「障害」にはなりません。
つまり、社会の仕組みや構造を変えるだけで、障害(社会にあるさまざまな障壁)はなくせる、と言えるのです☻
どんな身体になっても、活動を制限されることなく、みんなと同じように快適に過ごせたら1番だよね
障害学・社会モデルについて学ぼう!
意外と奥の深い「障害」について。
もっと学びたい!と思った人もいるのではないでしょうか?
ここからは、「障害」や「多様性」などについてもっと学びたいという日tおのために、オススメの書籍を3つご紹介します♪
わたしが障害者じゃなくなる日/海老原宏美
障害者ってだれのこと?/ 荒井裕樹
ガチガチの世界をゆるめる / 澤田智洋
まとめ
いかがでしたか?
今日は「障害」や「障害者」について考える時に知っておきたい、「医療モデル」と「社会モデル」についてお話ししました。
どんな人でも生きやすい社会を作るために、ぜひ覚えておいてくださいね☻
最後までお読みいただきありがとうございました!♡
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